マンション・アパート・ビルの消防設備点検
マンション・アパート・ビルの消防設備点検について
マンション・アパートなどの集合住宅やビルは、延面積によって各種消防設備の設置が義務付けられています。加えて、これらの共同住宅の所有者・管理者には、消防用設備等を定期的に点検し、その結果を所轄の消防長または消防署長へ報告することが義務付けられています。
そもそも、消防設備点検は人の命を守るためのものです。万が一の火災のとき、もし設備が故障していたら、取り返しのつかない被害を出してしまうかもしれません。消防設備の不備によって火災が起き、甚大な被害を出してしまうと、マンション・アパート・ビルの所有者・管理者が損害賠償責任を負う可能性は十分にあります。居住者・テナントの安全を守るのは、所有者・管理者の責任です。消防設備点検は必ず実施するようにしましょう。
マンション・アパートにおける消防設備点検の悩み
近年、全国的にマンション・アパートなどの集合住宅における消防設備点検の実施率・報告率が低下しています。新築後、1度も消防設備点検を実施していないという物件も珍しくありません。
集合住宅における消防設備点検の際に、多くの所有者・管理者の方が頭を悩ませるのが、居住者の不在時の対応です。集合住宅における消防設備点検は、共有部分・共用部分だけでなく、専有部分（居室）における自動火災報知設備や避難器具の点検も必要です。しかし、居住者不在のために消防設備点検が進まないケースも多く、この問題も間接的に点検実施率低下の一因になっていると思われます。
プライバシーの問題などがあるため、居住者の不在時に勝手に入って点検をするのは憚られると思います。しかし、消防設備点検は消防法という法律に基づいて行われる点検です。その物件で暮らすすべての人の安全に関わることですから、居住者は消防設備点検の実施に同意する必要があるのです。
このあたりは、トラブルに発展しがちなので十分な配慮が必要です。居住者への告知・案内までフォローしてくれる点検業者もありますので、事前に相談してみるのがいいでしょう。
