連結送水管耐圧試験とは?
連結送水管耐圧試験について
連結送水管とは、「消火活動上必要な施設」の一つで、建物に横付けされた給水車と屋内の消火栓とをつなぐ水用の配管のこと。消防隊が消火活動を円滑に進めるために使う設備で、消火用の水を火災が発生した階まで送水するために使います。
住宅火災における消火活動は、消防ポンプ車からホースを伸ばして放水します。一方で、高層ビルや地下建造物などにおいては、ポンプ車からつないだホースでは届かない場合もあり、全体をカバーできないケースが想定されます。そのため、高層建築物や地下街など、消火活動が困難な防火対象物には連結送水管の設置が必要になります。連結送水管があることで効率的な消火活動ができ、早期消火につながります。
連結送水管耐圧試験とは、文字どおり、連結送水管の耐圧性能に関するテストです。万が一のときに支障なく消火活動ができるよう、実際の作業時に想定される高い圧力をかけることで、配管の誤接続・漏水・バルブのゆるみ・離脱・損傷などがないかを確認します。
連結送水管耐圧試験の主な点検項目
連結送水管耐圧試験では、第一に空気圧による予備試験を行います。これは、送水することで水漏れ・破損などが起こるリスクを事前にチェックするための試験です。空気圧による予備試験で問題がないことが確認されたら、実際に送水して耐圧試験を行います。3分間、所定の水圧をかけ、送水口の本体・配管・接続部分・弁類の変形、漏水などがないか確認します。
連結送水管耐圧試験の対象になる建物
・地上7階建て以上の建物
・地上5階建てまたは6階建てで、延べ面積6000m2以上の建築物
・延べ面積の広い建物
・延べ面積1000m2以上の地下街
・各種車両が入る倉庫などの建物
・築10年以上の建物
・道路の部分を有する防火対象物 など
連結送水管耐圧試験の頻度・報告の頻度
連結送水管は、設置後10年を経過したものについて耐圧試験が必要です。その後は、3年ごとに耐圧試験を実施します。ただし、屋内消火栓設備と共用している配管は除きます。
消防用ホースは、設置(製造年月)後、10年を経過したものについて耐圧試験が必要です。その後は、3年ごとに耐圧試験を実施します。ただし、易操作性1号・2号消火栓ホースは除きます。なお、ホースを新しく交換した場合は、取換(製造年月)後、10年間は耐圧性能試験が免除されます。
耐圧試験後は、連結送水管配管耐圧試験結果書をまとめ、連結送水管点検票の添付書類として所轄の消防署へ提出します。
連結送水管耐圧試験をする人
連結送水管耐圧試験は、点検実施マニュアルに基づいて消防設備士や点検資格者などの消防技術者が担当します。
連結送水管耐圧試験にかかる費用
防火対象物の規模や連結送水管の系統数などによって、連結送水管耐圧試験にかかる費用は変わってきます。